マウスピース矯正のデメリットを9つ紹介!デメリットを理解して適切な矯正治療を

マウスピース矯正 デメリット
マウスピース矯正 デメリット

歯列矯正を行う際の具体的な治療方法には、ワイヤー矯正の他にマウスピース矯正があります。

ワイヤー矯正と比べて手軽かつ周囲から目立ちにくいといった理由から注目を集めているマウスピース矯正ですが、デメリットもあります。

この記事では、マウスピース矯正のデメリットについて詳しく解説します。ワイヤー矯正が良いか、マウスピース矯正が良いかを判断する際の参考にお役立てください。

マウスピース矯正のデメリットとは?

マウスピース矯正 デメリット

ここでは、マウスピース矯正のデメリットについて解説します。

矯正治療は時間を掛けて行っていくものであるため、以下の内容を参考にしながら、ご自身で継続できそうか検討してみてください。

マウスピースの装着時間が1日20時間以上を要求される

マウスピースの装着時間は1日20時間以上が推奨されているため、ほぼ1日中装着しておかなければなりません。

食事と歯磨き以外の時間は常に装着しておく必要があり、長時間の装着、食事時の取り外し、マウスピースの管理等に煩わしさを感じることもあるでしょう。

マウスピース矯正は、装着するマウスピースで歯に力を加え、少しずつ歯を動かしながら歯列の改善を図る治療法であるため、装着時間が十分でないと矯正効果を得ることができません。

1日の食事と歯磨きの時間を合計4時間以内に収めるためには、規則正しい生活を送ることが重要です。

さらに、食後すぐに歯磨きを行いマウスピースを再装着する必要があるため、適切な歯磨き習慣が身に付いていない人には不向きだといえるでしょう。

いくつかの症例ではマウスピース矯正が適応できない場合がある

マウスピース矯正は、歯並びの症状骨格的な問題等によって、歯の移動量が多くなる場合は適用できないケースがあります。

具体的な症例としては、極度に歯並びがデコボコしている場合、抜歯を伴って歯の移動を行う場合などが挙げられます。また、あごが左右にずれているケースや、上あごの発達による極度の出っ歯、下あごの発達による受け口なども該当します。

マウスピース適用の可否は、マウスピース矯正ブランドの適用範囲、歯科医師がマウスピース矯正をどのような計画で実施するかによって異なるため、まずはカウンセリング・診察を受けてみることが望ましいです。

飲食の度にマウスピースを外す必要がある

食事の際にはマウスピースを外す必要があります。仕事柄、生活スタイルの都合などで外食を多くする人にとっては不便に感じる場面もあるでしょう。

マウスピースを装着したまま食事をしてしまうと、マウスピースと歯の隙間から食べカスが入り込んでしまい、結果として虫歯の原因となってしまう危険性があります。

また、食事の際の咀嚼や料理の熱によってマウスピースが変形・破損してしまう恐れもあるため注意が必要です。

変形・破損した場合はマウスピースを再度作成する必要があるため、マウスピースを装着したままの食事は行わないようにしましょう。

虫歯予防のためにマウスピース装着前の歯磨きを厳守する必要がある

マウスピースを装着するにあたっては、事前に歯磨きを行うようにしましょう。

歯が汚れたままマウスピースを装着すると、装着部位で雑菌が繁殖し、虫歯や歯周病を引き起こす危険性があります。

また、マウスピースを装着することによって唾液が歯に触れる機会も減ってしまうため、唾液による自浄作用も得づらくなります。

通常の歯磨きに加え、定期的に液体歯磨きや歯間ブラシ等を活用し、口内環境を清潔に保つ努力をすることが必要といえます。

マウスピースのケアが必要

マウスピース矯正をするにあたっては、装着前の歯磨きによって歯を清潔にすることはもちろん、マウスピースも適切なケアで清潔に保つ必要があります。

日常的なケアが面倒に感じる人は、マウスピース矯正を避けた方がよいでしょう。

マウスピースを装着することで唾液や口内細菌が付着し、不衛生な扱いをすると付着した雑菌は繁殖を続けていきます。結果的に口内からの悪臭や歯の着色、虫歯や歯周病を引き起こす原因となることもあります。

洗浄方法は、マウスピースを水で流しながら優しく擦る方法が基本となります。

歯ブラシ等で細かな部分の洗浄を行う際には、毛の柔らかいものを使いマウスピースに傷が付かないようにしましょう。

また、お湯での洗浄はマウスピース変形の原因となることがあるため注意が必要です。

マウスピースが紛失・破損するリスクがある

マウスピース矯正はワイヤー矯正と異なり、矯正装置の着脱が可能となっているため、患者さんの中にはマウスピースを紛失・破損してしまう方がいます。

外食する回数が多いといったように、出先でのマウスピースの着脱が多いことが想定される場合には、マウスピースケースを持ち歩くようにすることが望ましいでしょう。

また、マウスピースが破損してしまうケースとしては、前述したマウスピースを装着したままの食事の他に、日常生活での歯ぎしりや過度な食いしばりも挙げられます。

歯ぎしり、食いしばりの場合には、診察の際に確認されると思いますが、不安がある場合には担当の歯科医に相談するようにしましょう。

歯と歯の間を削る場合がある

マウスピース矯正の際には、歯を動かすためのスペースを確保するために、歯と歯の間を少しだけ削ることがあります。

これは「IPR(Inter Proximal Reduction)」と呼ばれる、矯正治療における歯を動かすためのスペースを作る適切な治療方法であり、ディスキングと呼ばれることもあります。

マウスピース矯正に限らず、ワイヤー矯正でも行われている方法であり、歯の健康に支障の無い厚さの範囲内で0.2~0.5mmほど歯の側面を削り、可動スペースの確保を図ります。

健康状態に問題が起こることはないため、矯正にあたって必要と判断された場合にはディスキングを実施のうえで矯正治療を推奨します。ただし、歯を削ることに抵抗がある方は矯正開始前に担当の歯科医に必ず相談するようにしましょう。

奥歯の噛み合わせに問題が出る場合がある

マウスピース矯正をすることで、稀に奥歯が嚙み合わなくなってしまうことがあります。

これはマウスピースを装着している間、マウスピースの厚み分だけ奥歯が噛み合わない状態となり、矯正効果によって奥歯に圧力が加わるために起こる症状です。

矯正中にわずかでも嚙み合わせに違和感を感じたら、すぐに担当の歯科医に相談するようにしましょう。

マウスピースの一部をカットしたり、装着時間を調整することで、奥歯の正常な嚙み合わせを図っていきます。

歯根が露出する危険性がある

ワイヤー矯正でも起こりうるリスクですが、歯を移動させた先に歯槽骨(歯を支える土台となる骨)がないと、歯茎が下がり、歯根が露出してしまうことがあります。

このような症状が起こる原因には、適切な順序で歯を動かさなかった、可動スペースを確保せずに歯を並べようとした、といった無理な矯正計画での治療が挙げられます。

矯正治療を少しでも早く完了させたい気持ちも十分に理解できますが、矯正治療によって歯が動く可動域には限度があるため、担当の歯科医と適切な計画を立てるようにしましょう。

マウスピース矯正のデメリットを最小限にするためのポイント

マウスピース矯正 デメリット

マウスピース矯正の際のデメリットについて理解してもらえたでしょうか。

実際に矯正治療を検討する際には、それぞれの治療方法の特徴やメリット・デメリットを十分に理解したうえで判断することが重要です。

また、今回取り上げたデメリットを最小限に抑えることで、マウスピース矯正の負担を小さくしながら矯正治療を進めていくことができます。

マウスピース矯正を行う際には、以下に紹介するポイントを実践して快適な矯正治療を進めましょう。

  • マウスピース矯正に適した症状であるのか医師に相談する
  • 1日20時間以上マウスピースを装着可能か生活スタイルをチェックする
  • 矯正治療開始前に精密検査をきちんと受ける
  • マウスピースケースを持ち歩くようにして紛失などのトラブルを防止する
  • 矯正治療にあたって適切な歯磨き、口内ケアの方法を医師に指導してもらう

まとめ

マウスピース矯正のデメリットと、デメリットを最小限に抑えるためのポイントについて解説してきました。

矯正治療中は口腔内のケアを徹底することが重要ですが、着脱可能だからこそ矯正装置のケアが必要となる点も十分な理解が必要です。

マウスピース矯正を矯正治療計画に則ってスムーズに進めるには、適切な自己管理が必要不可欠であることを理解しておきましょう。

栃木県宇都宮市にクリニックを構える「つぶら矯正歯科クリニック」は、開業から20周年を迎える矯正治療を専門とする歯科クリニックです。

マウスピース矯正は目立ちづらさに利点がある矯正方法だといえますが、本院で行う矯正治療はワイヤー矯正でありながらも目立ちにくい、セラミック装置による矯正(歯の色に近い矯正装置を用いた方法)、舌側矯正(歯の裏側に矯正装置を取り付ける方法)を扱っています。

患者様が快適に矯正治療を進められる技術、治療環境を提供できるよう、日々スキルを磨いておりますので、矯正治療に関心のある方は、ぜひお気軽に本院へ足をお運びください。

カテゴリー: 矯正