マウスピース矯正した歯が元に戻る?原因や予防・対処法について解説

マウスピース矯正 戻る
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マウスピース矯正に限らず、歯科矯正の治療後に歯並びが戻ってしまうことがあります。

『後戻り』といって、治療後の対応に問題が生じることで、せっかくきれいに揃った歯が矯正前の歯並びに戻ってしまうという現象です。

この記事では、マウスピース矯正の治療終了後の正しい過ごし方、後戻りの原因や予防法、再矯正になる症例や相場などを紹介します。

これからマウスピース矯正を受けようと思っている人、既に治療を終わらせているけれど、その後通院していない人など、ぜひ本記事を参考にしてください。

後戻りにはいつ気付くのか

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後戻りは、せっかくきれいに揃えた歯並びが崩れたときはもちろんですが、リテーナーを着けたときにも気づきます。

マウスピース矯正の治療を終えた後、歯が元の位置に戻ろうとするのを防ぐために『リテーナー』を着ける期間を『保定期間』といいます。

この保定期間は、歯科矯正の仕上げとしてとても大切な期間で、食事と歯磨き以外はリテーナーをほぼずっと装着し、年単位の期間をかけて装着するものです。

このリテーナーを着けたときに違和感が生じるときは、もう既に歯が矯正前の位置に向かって動いたことを意味します。

後戻りに気付くタイミングや、どのような違和感があるのかを紹介します。

リテーナーを着けると痛い・違和感がある

リテーナーを装着していない間に歯が動いてしまうと、久しぶりに装着したときに違和感があったり、ひどいときは痛みがあったりする場合があります。

リテーナーは矯正治療後の装着でも多少違和感がありますが、毎日きちんと指示通り装着していれば1週間から1ヶ月程で慣れます。

リテーナーの装着に慣れたあと、例えば数日だけ装着を忘れたなどという場合、次に着けたときに違和感があれば、歯が動いてしまっているということになります。

リテーナーが入らない

歯の動きやすさや保定期間のどの時期なのかにもよりますが、リテーナーが入らなくなってしまうことがあります。

保定期間の初期の段階は、歯を支える歯槽骨が柔らかいため、特に歯が戻りやすい時期です。

せっかく作成したリテーナーを長い期間装着しないでいると、違和感や痛みどころか装着できなくなってしまう可能性があります。

リテーナーを一日装着しなかった場合

リテーナーを一日装着しないでいると、場合によっては入らなくなってしまう場合があります。

たった一日外すだけなら大丈夫だろうと思われがちですが、例えば保定期間に入ったばかりのうちに一日装着しないでいると、リテーナーが入らない程歯が動いてしまうこともあります。

10年たっても後戻りする

保定期間を一通り終えた後、例えば10年後に後戻りをするケースも少なくありません。

私達の歯は、日常生活でつい出てしまう癖や、年齢による筋肉の衰え、普段口にする食品の硬さなど、矯正をしていない人の歯でも常に動き続けていて、その要因はさまざまです。

矯正の経験がある人で、歯の移動量が多い人は特に後戻りしやすいといわれています。

保定期間が終わっても、できれば寝るときだけでもリテーナーを装着するのが理想です。

後戻りの原因と予防方法

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マウスピース矯正の治療後に後戻りしてしまう原因を解説し、予防方法を紹介します。

リテーナーを装着して違和感を覚えた人は、このどれかが原因でしょう。

リテーナーを正しく装着していない

歯科矯正後の後戻りが多いのは、保定期間中にリテーナーの装着を医師の指示通り正しくできていない場合です。

ワイヤー矯正のリテーナーは自分で着脱することができません。

しかしマウスピース型のリテーナーは取り外しが可能であるため、つけ忘れてしまったり、自己管理ができず装着の指示を守れなかったりするケースがあります。

保定期間にはいる際、医師からリテーナーを処方され、以下の指示を受けます。

  • 矯正治療と同期間の間は一日20時間以上の装着
  • 矯正期間+半年か、少なくとも2年の保定期間(装着時間は徐々に短くする)
  • 保定期間中の通院頻度(頻度は徐々に空けていく)

この指示を守らず後戻りしてしまうということは、矯正治療そのものを途中でやめるようなものです。

しっかりと医師の指示を守ってリテーナーを装着しましょう。

頬杖・横向き寝などの癖

歯並びが悪くなる原因の一つに、頬杖や横向き寝などがありますが、その癖が矯正治療後も直っていないと、リテーナーを着けていても後戻りする可能性があります。

癖はなかなか直せないものですが、リテーナーを外せるようになっても、その癖のせいでまた歯並びが戻ってしまうことになります。

頬杖や横向き寝は、歯ならびだけでなく全身の歪みにも影響を与えます。矯正をきっかけとしてその癖を直すのは、結果的に身体のためにもなるため、少しずつ意識するようにしてみましょう。

舌で押すなどの口腔内の癖

食べ物を飲み込んだりするときに舌でどこかの歯を押したり、前歯に舌を挟んだりする『舌癖(ぜつへき)』は、歯並びに悪影響を与えることがあります。

たかが舌の力と思うかもしれませんが、毎日の繰り返しは、頬杖や横向き寝同様にまだ不安定な保定期間の歯に対して十分なプレッシャーになってしまいます。

リテーナーとは年単位でつき合っていくため、その間に少しずつ癖を直す努力をしてみましょう。

噛む力や歯ぎしり・噛みしめ

矯正後の噛み合わせに慣れずにバランスよく噛めない場合や、強く噛みしめてしまう癖など、噛む力が原因で後戻りする人もいます。

噛み合わせのバランスについては、正しい噛み合わせを意識することが後戻りの予防になります。

噛みしめについては、リテーナーやマウスピースを外している食事の時などに、力が入り過ぎないように気をつけるようにしましょう。

歯ぎしりは寝ている時など無意識に行っているため、自覚を持って注意するのはむずかしいですが、歯ぎしりの治療にもマウスピースが使われているなど、歯の欠けやすり減りへりの予防には効果があります。

歯ぎしり自体は、原因の一つに噛み合わせ不良が考えられているため、矯正をすることで治まっていく可能性もあります。

あまりひどいようなら歯科医師に相談してみましょう。

親知らず

親知らずが他の歯を圧迫することは、歯並びが悪くなる原因となります。

親知らずは通常、全部で4本ありますが、全て生え揃わない人もいます。

生えてくる気配のなかった歯が矯正治療後生えてきたり、横向きになって押したりすると、せっかく矯正した歯を圧迫し、後戻りに繋がります。

親知らずがまっすぐ生えていて痛みもない場合は、その状態で矯正治療にはいることに問題はありませんが、マウスピース矯正の場合、治療前に抜いた方がいいと説明されるケースもあります。

マウスピース矯正は抜歯による大きな隙間を埋めるような矯正は苦手なため、抜歯した場合はマウスピース矯正だけでは対応できないケースや、抜歯矯正を適用外とする歯科医院、難易度が高い抜歯は自院では行わない歯科医院もあります。 

矯正後にもし親知らずが原因で後戻りした場合、抜歯を検討する必要があるかもしれません。

親知らずがある場合で、なおかつマウスピース矯正を選択したい場合、矯正前も矯正後も歯科医師とよく相談しましょう。

後戻りしてしまった場合の対処法と注意点

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マウスピース矯正後、もし後戻りしてしまった場合の対処法と注意点を紹介します。

放置してしまうと、せっかく費用をかけて行った矯正治療が無駄になりかねないため、できるだけ早めに対応しましょう。

リテーナーを着ける

リテーナーを着けてみて、違和感や痛みがあるのは歯が動いてしまっている証拠ですが、着けられる程度であれば、継続してみましょう。

リテーナーは歯が少し動いた程度ならリカバリーができます。

あまりに痛いようであれば歯や歯茎に負担をかけてしまうため、歯科医師に相談しましょう。

リテーナーを作り直す

リテーナーが着けられない場合は、作り直した方がいい場合があります。マウスピース型のリテーナーの相場は1万~2万円です。

しかし作り直したリテーナーでは、それ以上の後戻りを防ぐことしかできません。

矯正直後のきれいな状態に戻したい場合は再矯正をするしかありませんが、後戻りを矯正することは、最初の矯正よりも歯の移動が少なく済む場合があるため、その程度によっては費用が多少抑えられるかもしれません。

歯がそれ以上動いてしまわないうちに、なるべく早く歯科医院に相談に行きましょう。

定期的に受診する

保定期間に定期的な受診をする理由は、歯の保定状態を確認するのももちろんですが、リテーナーのメンテナンスのためでもあります。

取り扱いの仕方や噛みしめ・歯ぎしりなどの癖による変形などで、リテーナーは劣化します。

さまざまな理由で劣化したリテーナーは、歯の保定の役割を正しく果たせません。

保定期間はまだ矯正治療中だということを念頭において、トラブルの早期発見のためにも定期的にチェックしてもらいましょう。

食べるときはしっかり噛む

せっかく矯正治療で歯の噛み合わせを整えても、使わないでいると元に戻ってしまいやすくなります。

噛み合わせが変化することで違和感があるかもしれませんが、歯を使い馴染んでいく過程で歯が自然に削れて調整されていくため、上手く噛みあうようになります。

まとめ

マウスピース矯正の治療後の後戻りについて、詳しく解説しましたが、参考にして頂けましたでしょうか。

マウスピース矯正後に後戻りする理由としては以下です。

  • リテーナーを正しく装着していない
  • 頬杖や横向き寝など、動作の癖や姿勢
  • 口腔内の癖
  • 噛む力や歯ぎしり・噛みしめ
  • 親知らず

後戻りに特に多い理由はリテーナーの装着不足ですが、マウスピース矯正の場合、装着に対する自己管理が問題だといえます。

リテーナーを装着しないことで後戻りする確率は100%といわれています。

つぶら矯正歯科クリニックでは、矯正治療だけでなく保定期間もしっかり通いたくなるような、すすんで相談に来院しやすいような、居心地のよさを追求した医院づくりを心がけています。

マウスピース矯正は歯並びが改善された後の保定期間も含めて治療です。

マウスピース矯正をはじめたいという方は、ぜひつぶら矯正歯科クリニックまでご相談ください。

カテゴリー: 矯正