歯並びが悪くなる原因は?注意したい生活習慣と不正咬合の種類

歯並び 悪くなる原因
歯並び 悪くなる原因

なぜ歯並びが悪くなってしまうのでしょうか。

歯並びが悪いと、顎に余分な力が加わってしまい、顎の筋肉と密接に関わる肩・腰周りの筋肉にも悪影響が生じ、肩こりや腰痛の原因となることがあります。

また、悪い歯並びとはどのような状態を指すのでしょうか。出っ歯や受け口といったよく知られる悪い歯並びの他にも、さまざまな種類の不正咬合があります。

今回は、歯並びが悪くなる原因と、不正咬合とされる歯列の種類を紹介していきます。

ぜひ今回の記事を参考に、不正咬合が生じる原因を突き止め、生活習慣の改善に努めましょう。

歯並びが悪くなる原因とは?

歯並び 悪くなる原因

ここでは、歯並びが悪くなる原因を紹介していきます。

生活習慣によるもの

歯並びが悪くなる原因は生活習慣が大きく関わってきます。

不正咬合の原因は、生活習慣によるものがおよそ7割を占めると言われているほどです。

特に、以下のような癖には、注意が必要です。

  • 爪をよく噛む
  • 指をしゃぶる
  • 頬杖をつく
  • 口で呼吸している
  • 舌癖がある

これらについて詳しく解説していきます。

爪をよく噛む

爪をよく噛む癖を放置すると、歯並びに影響が出ます。

爪の硬さにより、長い間噛み続けることで歯の先端がすり減ってしまったり、歯茎に大きな負担がかかってしまったりしてしまいます。

特に、前歯あたりで爪を噛む癖があると、下の歯が常に前に出ている状態が継続され、下顎前突(受け口)になりやすくなります。

お子さんに爪を噛む癖がある場合は、一度歯科医に相談してみるといいでしょう。

指をしゃぶる

指しゃぶりを5歳になったあとも止められずに続けてしまうと、歯並びが悪くなることがあります。

特に「親指吸引」をする癖があると、上顎前突(出っ歯)になりやすいため注意が必要です。

親指吸引をすることにより、上顎と上の前歯が前に押し出される形になるため、顎や前歯が前に突き出るようになってしまうのです。

また、指をしゃぶっている間に上の前歯が前に突き出し下の前歯が後ろにズレてしまい、「開咬」という症状になる可能性もあります。

頬杖をつく

長時間または高頻度で頬杖をつく癖がある方は、歯並びが悪くなってしまう可能性があります。

人の頭は体重の1割を占めるほどの重さがあります。そのため、頬杖をつくことでその重い頭を下顎だけで支えることになり、顎周辺に多大なストレスがかかってしまいます。

よって、次第に下顎が後ろにズレていったり、左右どちらか偏った方向にズレてしまったりすることがあるのです。

口で呼吸している

常に口で呼吸していると、歯並びが悪くなる可能性が高いです。

通常、鼻呼吸の場合は、舌の位置が上顎の前方に収まります。このとき、歯列のアーチに沿って舌の力が外側にかかっている状態になります。

また、鼻呼吸をすることにより常に口を閉じた状態をキープすることになるため、口周りの筋肉が内側に向かって使われています。

これにより、内側と外側の力のバランスが整うため、歯列に悪影響を及ぼすことがありません。

しかし、口呼吸をしていると、舌の位置が下がってしまいます。この際、常に下顎の方向に力が加わるため、受け口となるリスクが高まってしまうのです。

また、口呼吸の状態が継続されると、口周りの筋肉が弱まります。それにより、口を閉じた際にかかる内側への力がなくなり、出っ歯になりやすくなるのです。

舌癖がある

舌癖とは、舌で歯を前に押し付けたり、歯の間から舌を出す癖のことを指します。

人は1日に1500回程度唾を飲み込む動作をしているため、舌癖がある方は飲み込むたびに舌で歯を前方に強く押し出すことになり、歯と歯の間にすき間が生まれてしまうのです。

舌が歯に触れず、上顎前歯の後ろ側にある少しぷくっとしたところを触った状態が正しい舌の位置です。歯並びを乱すことのないよう、正しい舌の位置を意識しましょう。

遺伝によるもの

歯並びが悪くなる原因には、遺伝も関わっています。

骨格、歯の質や大きさは遺伝的な性質を持っていて、親から子へ引き継がれることがあるのです。

ただし、遺伝が歯並びに影響する確率はおよそ30%だといわれていて、残りの70%が普段の日常生活からの癖が原因だとされています。

まずは生活習慣を見直し、歯に悪影響を及ぼす行動はなるべく控えるように意識してみましょう。

遺伝的にお子さんの歯並びに心配がある場合は、早めに矯正歯科クリニックに相談しておくと安心です。

乳歯の虫歯によるもの

乳歯の虫歯も歯並びの悪さに影響します。

幼少期に生えてくる乳歯の根っこ部分に病巣ができると、次に生えてくる永久歯がその病巣を避けようとします。すると、本来の位置から外れた場所に永久歯が生えてきてしまうことがあるのです。

そのため、乳歯の時点からしっかり虫歯の治療をしておくことが大切です。

悪い歯並びにはどんな種類がある?

歯並び 悪くなる原因

ここでは、悪い歯並びにはどのような種類があるのか、以下の8つを中心に解説していきます。

  • 叢生(乱ぐい歯)
  • 上顎前突(出っ歯)
  • 下顎前突(受け口)
  • 上下顎前突
  • 空隙歯列(すきっ歯)
  • 開咬
  • 過蓋咬合
  • 交叉咬合
  • 正中の不一致

それでは以下から詳しく見ていきましょう。

叢生(乱ぐい歯)

「叢生(そうせい)」は別名「乱ぐい歯」や「八重歯」とも呼ばれている不正咬合の種類の一つです。

歯と歯が重なり合っていて、歯列がガタガタしているのが特徴です。

遺伝で顎がもともと小さい方や、口呼吸などによる顎周りの筋力低下が原因で叢生の症状が起こることがあります。

叢生だと歯磨きがしにくくなるため、歯に磨き残しが生じ、虫歯や歯周病の原因となることがあるため注意が必要です。 

上顎前突(出っ歯)

「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」とは、上顎の前歯が前に突き出ている状態のことを指し、別名「出っ歯」とも呼ばれています。

日本人に多く見られる症状でもあります。

上の前歯の歯茎全体が前方に突き出ていたり、上顎の骨自体が通常よりも前方にあったり、そもそも歯の生え方に問題があったりと、上顎前突になる原因はさまざまです。

下顎前突(受け口)

「下顎前突(かがくぜんとつ)」とは、「受け口」と呼ばれている不正咬合の一種です。「しゃくれ」と表現される場合もあります。

下顎前突は、下の前歯が上の前歯よりも前に出ていることが特徴です。

顎の形が特殊なため、遺伝によるものであることが多いです。咀嚼の際に顎に過度な負担がかかることから、特に深刻な受け口の場合は、外科手術による治療が必要な場合もあります。

上下顎前突

「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」とは、上下両方の歯が全体的に前に突き出ているような不正咬合を指します。

食べ物を上手く噛めないだけでなく、顔を横から見ると口元が尖っているように見えることがあり、コンプレックスにもなりやすいです。

また、唇を閉める際に不自然になってしまうことから、口が常に開いた状態になりやすく、口呼吸になる危険があります。

空隙歯列(すきっ歯)

「空隙歯列(くうげきしれつ)」とは、歯と歯の間に隙間がある状態のことを指します。「すきっ歯」とも呼ばれています。

歯の本数が本来よりも少なかったり、舌の癖が悪かったりすると、成長とともに少しずつ歯と歯の間に隙間が生まれてきます。

また、歯に隙間があることから、言葉を発音する際に息が余分に漏れてしまい、正しく発音できないことがあります。

なお、乳歯の時点ではすきっ歯でも問題ありません。乳歯よりも大きい永久歯がきれいに生え揃うには、ある程度の隙間が必要であるためです。

開咬

「開咬(かいこう)」とは、別名「オープンバイト」とも呼ばれる、上の前歯と下の前歯の間に隙間が生まれる不正咬合のことを指します。

開咬になると、上下の前歯の間が空いてしまうため、前歯で食べ物を噛み切ることができなかったり、サ行やタ行の発音に影響が出たりすることがあります。

重症の場合は、食べ物をそのまま飲み込む癖がつき、胃腸に負担がかかることから胃腸障害を引き起こす危険性が生じます。

過蓋咬合

「過蓋咬合(かがいこうごう)」とは、別名「ディープバイト」とも呼ばれる、上の歯が下の歯に過剰に重なっているような不正咬合を指します。歯を噛んだ際に下の歯がほとんど見えないのが特徴です。

過蓋咬合では、上の前歯の裏側の根元部分に下の歯が当たることで、ものを噛む度に歯茎を刺激してしまい、歯内炎の症状が生じることがあります。

交叉咬合

「交叉咬合(こうさこうごう)」とは、部分的に歯の前後位置が逆になっている(上の歯より下の歯が前に出ている)状態を示します。

交叉咬合かどうかは自分だけではなかなか気付きにくいため、顔が左右非対称である、歯を食いしばれない、などの症状がある場合は、一度歯科医院を受診することをおすすめします。

正中の不一致

歯科でいう正中とは、上下の前歯の真ん中部分を指します。

「正中の不一致」とは、上下の歯の中心がズレていることをいいます。例えば、上の歯が左右どちらかにズレていたり、上下どちらも左右どちらかに偏りすぎていたりする症状です。

正中の不一致が起こると、大きな口が開けにくかったり、口の開閉時に顎の関節がゴキゴキ鳴ったりすることがあります。

まとめ

歯並びが悪くなる原因と悪い歯並びの種類について紹介しました。

悪い歯並びは遺伝による顎の大きさが原因のときもあれば、生活習慣など日頃の癖から生じる不正咬合もあるため、自分自身の日常生活を一度見直してみるといいでしょう。

また、不正咬合が起こると歯磨きがしづらくなり、虫歯や歯周病の原因となるリスクが高まります。

歯の痛みや不快感はストレスにもつながるため、早めに原因を突き止め、適切な治療や予防を行いましょう。

つぶら矯正歯科クリニックでは、患者様と相談しながら、一人ひとりの症状と希望に合った矯正治療を行っています。

虫歯や歯周病のリスクを最小限にするためにも、矯正歯科をご検討の方はぜひ一度当院へお越しください。

カテゴリー: 矯正